顰 蹙
意味:「不快に感じて眉をひそめること」
漢字
「顰」と「蹙」は同義の漢字を組み合わせたもので、「顔をしかめること」を意味します。
「顰」は「顔をしかめる」という意味
「蹙」は「しわをよせる。しかめる」という意味
定型句
「顰蹙を買う」は、周りの人に不快な思いをさせて軽蔑されるという意味です。
社会的に正しくない言動が原因となって不快な思いをさせる時に使います。
語源
『荘子』の「天運篇」の故事成語
「顰蹙」は『荘子』天運に記された、下記の逸話が由来です。古代中国で伝説的な美女といわれた西施(せいし)は風邪をこじらせて顔をしかめて、痛みに耐えていた。絶世の美女が顔をしかめる姿は、大変に美しいものであった。それで同じ村にいた醜女が、真似して顔をしかめてみたところ、村の男たちは外出しなくなったり、妻子をつれて他の村に移り住んだりした。
女性の見た目によって、周りの男性の対応が全く違うというエピソードです。
現代ではフェミニズムやルッキズムの観点から、完全に問題になってしまう話です。これから、「顰みに倣う(ひそみにならう)」という慣用句が生まれました。
「顰みに倣う」は、善し悪しも考えずに、やたらに人のまねをするという意味です。
また、自分が他人にならって物事をするのを謙遜していう語でもあります。
「顰みに習う」とするのは間違いです。
英語:「顰蹙を買う」に一番近い表現は、「be frowned upon」です。
from:WURK[ワーク]